ベースと高く跳躍出来る自由さ

京都磔磔(いっつも道迷う)でニッポン・ガールズのライブを見る。
開演30分前くらいに磔磔についたのだが、
座席はすでに前半分がほぼ埋まっている状態で、
彼女たちの根強い人気を感じる。
18時過ぎにメンバーが登場。前見た「月世界」の時同様、
全員が黒の着物ベースの和装が凛々しくてカッコイイ。
彼女たちの初ライブ@磔磔の時は衣装は着物地のアロハで、
それは現代的なたおやめの様で非常にかわいいものだったのだが、
最近の和装の凛々しさにはこの素敵な音楽集団の、
独自性あふれるユニットとしての自覚=目覚めを感じさせられる。
さて、18時を過ぎていよいよライブスタート。
音が鳴りだしてしまえば、そこからはもう完全に、
ニッポン・ガールズの世界。
ビートと旋律に手足は勝手に動きだし、
音に合わせて首や肩や腰がリズムをとってしまう。
いつも思うのだが、フロアがあったらホントに踊りたいくらい。
今回のライブ中盤は今日がバレンタインデーということもあって、
それにちなんで「日本の恋歌」のガールズバージョンも3曲披露された。
これがどれも30代以上なら誰でもわかるであろうド演歌が原曲で、
彼女たちの絶妙なアレンジとグっとくる演奏で拍手喝采なのだが、
その拍手の時、メンバーそれぞれが少し「はにかんでいる」のに気がついた。
で、はたと思ったのだ。
この「はにかみ」こそ、ニッポン・ガールズの面白さのポイントじゃなかろうか?
「はにかむ」ということの気持ちをシミュレーションしてみれば、
彼女達自身が「こんなに面白いことしちゃっていいのかしらん?」と、
非常に楽しみながら、一方でドキドキしつつ演奏していた結果なわけで、
これは彼女たちがそれぞれの和楽器とその歴史を音楽的ベースの一部にしつつも、
一方でそのベースからかなり自由に逸脱して音楽を楽しんでいる証拠だと思う。
自分たちのベースをしっかり押さえつつも、
なおかつそれらにとらわれることなく、高く跳躍出来る自由さ。
このあたりに、ニッポン・ガールズの音楽の魅力の秘密があるように思う。
次回のニッポン・ガールズのライブはまだ未定なのだが、
次がまた待ち遠しい次第。