茶の本

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本日読了。岡倉覚三が書いているのですが、その呼び名だとピンと来ない人も
岡倉天心と聴けば、近代史で習った東京美術学校の創設者を思い出すでしょう。
本書、原本は英語で書かれたもので、その名も「the book of tea」。その内容は、
茶道を軸に東洋(特に日本)の誇るべき美と高い精神性を、西洋人向けに解説
したもの。
ところがこの解説の一つ一つが、オバタにとっちゃあ涙が出るくらいいい話なんで
すよ。モノ作りする人間、そうでなくちゃイカンよなぁ〜っ!と思いつつ、覚三先生の
熱くかつ冷静な論理性と感性のすんばらしさにウットリする次第。
これを読んでいると、日本の精神性の最高潮は明治・大正期で、それ以降は降下の
一途であることをまざまざと感じさせられます。
まぁ、こんな素晴らしい本が、たったの360円(!)ていうんだから、日本も捨てたもん
じゃないとは思うのですがね。むっちゃお奨めの一冊です。